ぼーっとしようよ 養生法

 

「心のツボ、からだのツボに・・・ ぼーっとしようよ 養生法」
 田中美津著  毎日新聞社 

 

この本は私の愛用書です。
調子が悪い時や、これは?という時に、よくぱらぱらっと眺め読みします。

東洋医学からみた体のしくみや引き起こす症状、養生法について、日常的な例をあげながら口語体でわかりやすく綴られています。
今回、湿疹に悩まされたので、“春の養生法”のコーナーを再読してみたところ、まさにその通りって感じだったので、なるべく忘れないように内容を自分なりにまとめて書き残しておこうと思います。 

( 本の内容 〜春の養生法より・・・アレルギーについて〜 ) 

「色即是空、空即是色」。東洋医学的には、“からだは心で、心はからだ”ということ。
喜(心)、怒(肝)、憂(肺)、思(脾)、悲(主に肺だが、すべてにダメージ)、恐(腎)、驚(腎、心)の感情が乱れると、からだも乱れる。
この心とからだの関係を、東洋医学では「七情の乱れ」といいます。
「七情の乱れ」は私たちが病気になる一番の原因。
 
春は目ざめの季節。冬の静寂から春の動へと、自律神経、筋肉が動き出す「肝」の季節。
もちろん肝臓のはたらきも「肝」のうちだし、筋肉、目、爪にも関係。
蕁麻疹が出る、足がつる、筋肉が痙攣する、目が疲れる、爪がもろくなった等の症状、また月経過多や過少、無月経も、「肝」の働きが落ちてるよというサイン。

春には、めまいや寝汗、動悸、息切れ、不整脈、生理不順、頭痛、肩こり、食欲不振、疲れやすい・・・でも病院で検査してもなんでもない、自律神経が失調しやすい状態が出やすいシーズンです。
春に問題が生じやすい肝は「木」に属しています。
肝は情緒や感情の働きを調節しているところです。
木の梢のように気持ちがのびやかならば、肝の働きものびやかに。
もしそうでない場合は、肝に異常が起きやすい。

例えば過度にイライラしたり、クヨクヨ悩んで夜ふかしばかりしていると、気の流れが滞って、そのために肝に「熱」が生じてしまう。
体温と違ってこの熱はいわば邪熱。
ひたすら上(上半身や皮膚)に昇りたがる。
肝の邪熱が血と結びつくと「血熱」に。
しょっちゅうノボセで鼻血が出たり、下血や血尿など突然の出血がある人は血熱のせいかも。

また、熱は体に滞っている水=水毒と結びつく。
そうなると体は冷え(陰)と熱(陽)が混在する「湿熱」の状態に。
喘息、アレルギー性鼻炎アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患は、この湿熱が原因。
つまりベースは冷え=水毒。
邪熱によって、からだの上部(顔、胸、皮膚表面)に陽気がたまり、下部(下半身や皮膚の内側)に陰気がたまった状態(上では水が不足して下ではあまる状態)となり、その水毒が引き起こす症状がアレルギー。

下で水があまると足のムクミや冷えが生じる。
また、あまった水を痰や鼻水として出そうとするからだのはたらきが、アレルギー性鼻炎や喘息を引き起こす。
一方、皮膚表面の水が不足すると乾燥したお肌に、アトピー性皮膚炎や湿疹ができる。
 
肝の「木」を抑える作用をするのが「金」である肺。
肺のはたらきは鼻(肺の身内)や皮膚と関連する。
肝の邪熱が強くなりすぎると、抑制するはずの肺が反剋を受けて逆に抑制されてしまい、そうすると鼻や皮膚がやられ、鼻炎や喘息、アトピーなどが起きやすくなる。

また肺の示す五腑は「大腸」であり“悲しみ”や“辛い味”とも関係している。
そのため便秘が続くと喘息がでたり、いつも悲しい気分でいたり激辛料理が好きでも、花粉症やアトピーになりやすい。
そして肺の「金」を生み出す「土」は脾(消化吸収機能)であり、食べ過ぎ・飲みすぎで脾が弱ると肺も弱ってアレルギーが起きやすい。

また碑は水と深く関わっていて、脾が弱いと水毒になりやすい(下部にたまった水を上部にもっていくのが「水」である腎のパワーであり、脾の機能が落ちるとエネルギー(気)の生産が減少する結果として当然、腎もパワー不足に)。

つまり、肝の不調がからんで、肺(大腸も)や脾胃のはたらきが低下し、さらに腎の機能が落ちて水毒が引き起こされると、アレルギー疾患につながる・・・ということですね。