四柱推命大全

 
 「完全定本 四柱推命大全」
 鍾進添(ショウシンテン)著・山道 帰一訳注
 河出書房新社  3,800円+税

 

「鍾進添氏は、台湾の人間国宝的存在であり五術の大家である」という帯にひかれ、どんな内容か興味津々で買ってみました。
古本購入ですが・・・(笑)

読んでみてまず思ったのは、この専門的で難解だったであろう内容を翻訳した山道帰一氏はすごいなあということです。
内容は、「四柱推命を原点から探究する解説書」という目的で作られているので、古典説明の引用があったり難解な専門用語があったりと、初心者にはかなり難しくとっつきにくい本となっています。

初心者に多少の毛がはえた程度の私は内容をきちんと理解できたとはいえませんが、結局は基本的なことが難しく書かれてある・・・というか、その基本的なものの成り立ち、古典に記されてある(根拠)から理論が確立されていったのだなあという、その解釈の過程のようなもの?は垣間見ることができました。

なので、現代に添うような占い要素の強い四柱推命の本といった内容ではありませんが、先人たちが研究を積み重ねて編み出してきた四柱推命は大変奥が深く、神煞や十二運や様々な格のとりかたなど・・・看命方法として使うかどうかはさておき、土台として理解しておく価値は大きいなあという感想を抱きました。
きっと何度も読み返すことが大切で、理解も進むようになる本でしょう。

この本で、へえ〜と思ったのは、命式の出し方として四柱を出す(排すると言う)伝統的な方法です。
今は、本の巻末に載っている干支暦やPCで、あっという間に命式や大運も出せるので、わざわざ計算せずとも簡単な方法があるのですが、四柱の出し方の理屈のようなものがわかって面白かったです。

そして、均時差を考慮しないという考え方は大変興味深く、私の頭では理解が難しく・・・混乱もしております。

現在私たちが日常使用している暦は、太陽暦グレゴリオ暦)で、標準時と地球の自転速度とのずれを調整するために4年に1度「うるう年」を設定してずれを調整しています。
著者曰く、太陽暦でいくと、うるう年である2月29日から4年近くたった2月29日付近では、(計算上)約1日とでもいうべき時間に近い季節と月相(太陽と月の黄経差)に対する暦のずれが生まれているということです。すでに2年以上が経過した段階で、半日以上の時間のずれが生じていて、それは標準時を起点とする経度の違いによる時差や季節における太陽の時差(均時差)などよりも、はるかに大きいずれと考えることができるという理論です。

四柱推命では太陽暦の「年・月・日・時」を基準としておらず「六十甲子が循環する時間概念」(干支暦)という特殊な時間概念を扱うのであり、うるう日が入っても太陽暦とは関係なく、ただ単に六十甲子が1日(1干支)進んでいくだけであるので、ずれを考慮せずともよいということ(私が解読した感じでは・・・)です。
確かにその通りだなあ・・・とも思ったのですが、なんだかこんがらがってきます。

均時差っていうのは、日本における中央標準時(兵庫県明石市)と、出生場所との経度による時間のずれを補正することなのですが、うるう年の2月あたりではすでに大きく1日ぐらいの時間のずれが生じているのであるから、そこまで考慮にいれて計算して補正していくのは無理なことであり、太陽暦ではなく暦は全部六十甲子で統一して考える・・・ということでいいのかな。

でも、兵庫県も出生地も(というか太陽暦を使用している国全部が?)同じ時間のずれが生じているのであり、そこはずれたまま日本国内で考えた時の時間のずれを補正するという、日本での平均した時間設定?を考えるという考え方が均時差ということ・・・なのよなあ・・・。

う〜ん。
天文学に疎いのでこんがらがってきてしまいますが、時柱というのは子刻のとらえ方や三柱推命の是非も含め、謎(課題?)を多く含んでますよね〜・・・。


ところで、今年はうるう年でもあるのですが、今月7月1日の午前9時の前に「うるう秒」といって「午前8時59分60秒」である1秒が挿入されているのだそうです。
なので、2012年は、いつもの年より「1日と1秒」長いということですね。
たかが1秒、されど1秒・・・。
オリンピックは1秒いやコンマ01秒で勝ち負けが左右されるのですから、1秒の重みは人生を大きく変える力があるといえますね〜。