明澄透派の「紫薇斗数」


明澄透派五術全集第五巻 
 「紫薇斗数 命理大全」
 張耀文 口述  掛川掌瑛 編著

 
 
紫微斗数」にも流派があり、透派では“微”にクサカンムリがついた「紫薇斗数」としていることを知りました。
今のところ四柱推命では透派の考え方を取り入れているので、このクサカンムリの方の「紫薇斗数」は何が違うのだろうかと気になっており、ネットで上記の古本(付録の作盤ツールがついていない)が安くなって出ていたので購入してみました。
 
元値は1万を超える本なので中古と言ってもそんなに安くもありませんし、実際届いた本は何かの紀要冊子?のような製本状態で、え〜っという感じもしましたけど・・・。
やはり占術関係の本はとても高いものですね。
 
この明澄透派の「紫薇斗数」と、巷に出ている「紫微斗数」の違いを、私がこの本を読んで解釈した限りで大まかに述べてみますと・・・ 

  • 甲級主星(助星)は、「北斗星」・「南斗星」・「中天星」という分類ではなく、「紫薇系」・「天府系」という分類のしかたをしている。
  • 採用する副星が少ない。(象意作用が少なく判断の混乱になるからという理由で)
  • 命宮を出す方法は、旧暦月を採用せずに節気月(月支)を採用する。
  • 身宮を出す方法は、身宮は人生のキーポイントであるという観点から12宮のいずれかに配置されるような方法でとる。

  (紫微斗数では6宮のいずれかにしか配置されない)

  • ある宮をみる時に対冲宮や三合(会)宮を同時に見て判断するという方法には懐疑的である。
  • 命宮を除いた各宮の象意についてはそれほど確かなものではなく、星の旺陥などで吉凶を見た時の総合的な点数で判断し、そこからわかることも社会的に見た時の比較はできず、自分の中で得意か不得意かがわかる程度であると考える。
  • 命宮に属する星の象意だけはその人のタイプをズバリと表すということで、甲級主星だけでなく幾つかの甲級副星についても甲級主星が無主星の場合は命宮の主星として考える。その場合、とる副星の優先順位のようなものがある。
  • 年運の象意の見方についても不合理な点が多いと考え、その年運に出ている星や旺陥によって、意を得るか得ないかという程度の判断にとどまる。

 といったところですかね・・・。

全体的に、「紫薇斗数」でわかることには限界があるといった内容のように感じました。
(他の占術との併用による判断が大事ということ)

私の場合、節気月(月支)でとる方法でも各宮の星の位置は変わりませんでしたが、身宮は変わりました。
命宮にあったのが子女宮になりました。
身宮はこの本では人生のキーポイントとなるらしいのですが、子どもがいないのでどうなのかは今のところ何とも言えないかな。

以前、「紫微斗数」の本を読んだ時に、それぞれの宮に入っている星の象意が当たっているかはどうだろうかな〜という印象だったのもあり、この本が言っている「その人の視点で考えた得意や不得意ということで見る」という考え方で各宮を見てみると、割と納得できる結果である気はしました。

ただ、私の命宮は甲級主星が無主星であるので、この本の副星を主星として命宮の象意をみるのはどうだろうという気がしました。
私の命宮には副星である炎星(火星)と右弻星が入っており、この場合は炎星を主星としてみることになるので、その象意は・・・
『“初心を貫徹”“強固な意志力”で、デリカシーに欠ける。最も恐れることは他人から物わかりがよい、妥協が上手、融通がきく、などと思われることで、そうなるとただ軽蔑されるだけになってしまいます』と書いていますが、どちらかというと私の性格は後者のタイプで、「人の様子に敏感で他者の思いを優先する傾向があり、優柔不断気味なタイプ」ではないかと自分で思っております。

まあ、これは私の良い面が活かされておらずに悪い方に出ており、実は周りから軽蔑されている(悲)・・・という解釈をするべきなのか?
私自身の命宮の解釈に関しては、命宮が無主星である“命無正曜格”の象意である、「周囲の環境に合わせて流れていく、あまり主体性がないタイプ」として考えるのが一番しっくりとくるような感があります。

また、この本の中では四化はとらず飛星もしませんので、頼りない感じがしました。
透派の上級者向けの本には四化や飛星などをとる内容も出てくるのかもしれませんから、詳しい見方については残念ながらこの本だけでは理解できませんでした。

興味深かったのは、この本では「紫薇斗数」のルーツは密教の「如来蔵」にあるとして、命宮の主星を表す守護仏を設定していたことです。
命宮主星の象意とその仏様の特性が合っているのかは無知な私にはよくわかりませんが、いろんな仏様の個性や宗教的なつながりなどが記載されていたのは勉強になりました。
 
とりあえず、透派の作盤方法は理解できたので目的達成という点で、この本はためにはなりましたね。
ただやっぱり高すぎるよな〜。
上級向きの本も読んではみたいけど、ちょっとお値段的に考えますね・・・。