「夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神」

 
「夢をかなえるゾウ2  ガネーシャと貧乏神」
       水野敬也著 飛鳥出版 1,575円

 


前作の「夢をかなえるゾウ」が大好きで、続作が出たということで読むのを楽しみにしていました。

「夢をかなえるゾウ」は、ネガティブ主人公と、わがままな象の神様ガネーシャとのかけあいのセリフが面白く、それにうまい具合にたくさんの偉人の思想を混ぜ込みながら主人公が成長していくストーリーとなっています。

「夢をかなえるゾウ2」も同じスタンスなのですが、今回の主人公はすでに人間的に優しく(前回の主人公は卑屈な性格が面白かったので・・・)、ガネーシャの出番も少なくなっているのもあり、お笑いどころはやや控え目ではありますが、ストーリーの展開としてはよく考えられているなあと感じました。

前作では、偉人の思想は問題提起をしながら次々と出していってる感じですが、今作では物語の要所にからめていっている感じなので、作り手としては構想を練るのが難しかったんじゃないのかな・・・という(勝手な)印象を受けました。

なので前作の「声を出して笑うぐらい面白い自己啓発本」というよりは、「物語としてうまく作られている自己啓発本」という感じかな。

全く関係ないでしょうが、昔読んだ「ソフィの世界」をちょっと思い出させるような構成といいますか・・・。
面白いし、よかったけど・・・私的には、やはり前作の方がインパクト強かったし好きかな。

この本の中で私が印象に残っているセリフは、“貧乏神の幸子さん”のセリフです。

『お金で買える喜びはすべて〜素敵な服も、おいしい食べ物も、優雅な部屋も、豪華な旅行も〜他人が作ったものです。でも、どんなにつらい状況でも、それを楽しもうとする気持ちがあれば、人は、自らの手で喜びを作り出すことができます。お金がなくても、人は幸せになることができるんです』

・・・なんというか。
自分の今のセコい生活を肯定してもらっているようで、「そうだそうだ〜っ!」と元気をもらいましたね(笑)


〜 Amazonに掲載されていた「夢をかなえるゾウ2」著者コメント より  〜
「夢を追い始めるとき、最大の障害になるものは何か?」
この問題についてずっと考えてきました。そして、周囲の人たちを見ても、自分自身の経験からも、それは間違いなく「お金」だと思います。
もしお金が十分にあったら、人は一番やりたいことをするはずです。
しかし、私たちは明日を生きていかなければなりません。将来のことも考えなければなりません。養うべき人がいるとこの問題はさらに大きくなります。
こうして多くの人が、お金に対する不安を解消できぬまま、やりたいことを…夢をあきらめていくのです。 夢をかなえようとする人は、「お金」とどう向き合っていけばいいのでしょうか?
この問題に一つの解答を示したのが本書です。
もちろん、前作と同じように、いや、それ以上に、ガネーシャは自分勝手のひどい神様です。ガネーシャの手によって、事態はどんどん悪い方へと向かっていきます。しかし、今回は他の神々(貧乏神)も加わって、「お金」という問題に一つの明確な解答を示してくれます。
今、やりたいことはあるけど一歩踏み出そうか迷っている人、そして、どの道に向かえばいいのか分からず行き詰まっている人に、ぜひ読んでもらいたいと思います。本書は、新しい道を進み始める大きなきっかけになるはずです。