高野山・熊野三山・伊勢神宮・大神神社への旅⑥ 〜 大神神社・狭井神社・檜原神社 〜

 
さあ、今回の旅のクライマックスは、奈良県の大神(おおみわ)神社です。

今から10年ほど前、まだスピリチュアルブームも先駆けだった頃、友だちが家に持ってきた(私の本ではないけど)
『 スピリチュアル・サンクチュアリ江原啓之神紀行 −  〜マガジンハウス出版〜 』
を読んで気になり、いつかは行きたいなあと思っていたのが大神神社なのです。
(ちなみに、その本を読んでから友だちと一緒に鼻息荒く?出かけて行ったのは、出雲大社(縁結びを求めて)をはじめとする出雲地方の神社でした。出雲地方の神社はとても好きで、その後も3回ほど参拝に行ってます…)
 
 
さて、大神神社三輪山をご神体とする日本最古の神社です。
国造りを成就させるために、大国主神(おおくにぬしのかみ)が和魂(にぎみたま)として大物主大神(おおものぬしのおおかみ)の名で顕現され、三輪山の頂上にある盤座に鎮まられたとし、祀られているのです。
※ 和魂とは、雨や日光の恵みなど神の優しく平和的な側面である。神のご加護は和魂の表れである。(ウィキペディアより) 

大神神社には、手水舎の手前に祓戸(はらえど)神社というお祓い専用の末社があるので、参拝前にまずここを参ります。
祓戸神社の隣には、夫婦岩があります。
やはり出雲大社大国主神の魂であります大物主神がご祭神ですので、縁結びのご利益もあるのですね。
 
   
  夫婦岩 大物主神恋物語を伝える二つの岩 

  
  ゆったりとした参道は歩いて気持ちがよいですね
    
   

  
  ご神体の三輪山は、高さ467m・周囲16kmの円錐形なので、
背後に山がそびえている…という印象はあまりないかな


大神神社は重厚でおおらかな雰囲気があります。
格式は高いのですが、庶民的な印象といいますか…懐が大きい感じです。

本殿がなく拝殿のみがある神社で、拝殿の背後には三ツ鳥居があり、その向こうが三輪山となっています。
社務所に申し出れば三ツ鳥居を拝ませていただけるみたいですが、今回は檜原神社からも拝めるかな、と時間もなかったのであきらめました。(残念…)

拝殿前のご神木“巳の神杉(みのかみすぎ)”には、大物主神の化身である白蛇が棲むと言われ、卵やお酒がお供えされていました。
(写真を撮り忘れており、これまた残念…)

学力向上の御利益があるという末社の久延彦(くえひこ)神社を参り、狭井神社へと歩いて向かいます。
狭井神社大神神社の摂社であり、三輪明神の荒御魂が祀られている場所で、こちらも病気平癒の霊験あらたかな場所です。

狭井神社には三輪山に登るための登拝道があり、社務所に許可を得れば、山頂に祀られている磐座まで登って行くことができます。
(登拝の受付は14時までで、入山してからは3時間以内に戻ってくるというきまりや人数制限もあります) 
    
   
 久延彦神社への竹林の参道 

 
 狭井神社の拝殿 こちらの方が三輪山を近く感じました… 
    
  
 注連縄柱(鳥居)は大神神社に関する神社でよく見かけました 

 
 万病に効くご神水が湧く薬井戸 なんとプッシュボタン式! 
    
  

 
 境内の横手に三輪山登拝口があります 
 敬虔な気持ちで入山しなければなりません  
 いつか登拝させていただきたいな…

帰りは“くすり道”から大神神社へと戻ってきて、パワーがある?という参集殿の「なでうさぎ」をなでて、お守りやお札などを買いました。

 
帰りの船の時間を考えると時間もなくなってきたのですが、ここもどうしても行ってみたい!檜原(ひばら)神社。
檜原神社大神神社の摂社で、「三ツ鳥居」から三輪山を拝むことができる神社なのです。
また、檜原神社は“元伊勢”とも呼ばれる地です。
なので、ご祭神は大神神社主祭神大物主神ではなく、天照大神伊邪那岐命(いざなぎのみこと)・伊邪那美命(いざなみのみこと)。 

伊勢神宮内宮の記事で少し書きましたが…、
伊勢神宮内宮は、「垂仁天皇の時代に皇女である倭姫命(やまとひめのみや)が、天照大神の御鎮座地として大和の国よりふさわしい場所を探すために各地を巡り、伊勢の国に入った時に天照大神から御神託があり、現在の伊勢神宮の地に定まった」のでした。

で、この鎮座地をさがす大もとの話は、一代前の天皇である崇神天皇の時代にさかのぼるのです…。
 崇神天皇の時代、天照大神伊勢神宮ではなく宮中で祀られていました。
この崇神天皇の時代に、国内に疫病が流行り、国民の大半が亡くなってしまったのです。
天皇は神の勢いを畏れて、共に住むのは安らかではないと思い、皇女である豊鍬入姫命(とよすきいりひめのみこと)に託して、天照大神を大和の笠縫邑(かさぬいのむら)に祀らせました。
 

後に垂仁天皇の時代になり、倭姫命にその役目が渡されて、天照大神の御鎮座地を探させた…、とつながっていくようです 

  
 “大和の笠縫邑の地”というのが、この檜原神社の地であるらしい… 

    

  
 神殿も拝殿もなく、三ツ鳥居から三輪山を拝する古代の祈りのスタイル  
 左手は豊鍬入姫宮(とよすきいりひめのみや)

   
白い玉砂利に浮かびあがるようにして、緑濃い三輪山を背景に建つ三ツ鳥居の風景は凛とした美しさがありました。
小雨が降ってくるは、細道で本当に着くのか心配な車道に焦りつつ辿り着いたので、この神社の雰囲気に制されて落ち着いた気持ちを取り戻しました。
ここに辿りつけて、空気感を堪能し拝むことができて、本当によかったです。
 
 
帰路、奈良を出て大阪南港へ向かうのにやはり渋滞にあってしまい、運転の手に汗握ったものの、なんとか船の時間に間に合った〜。(ギリギリセーフでした)
そして出発前に気になっていた台風でしたが(3つもきていたし…)、全行程天候に恵まれたのが何よりありがたいことでした。
しかしその後、台風が熊野方面に上陸し、まさに私たちが行ってきた本宮の近くや通ったかもしれない道路などの被害映像をテレビで見て心が痛みました。
どうぞ、大きな被害もなく復興が早く進むように願っています。
 
私たち夫婦は新婚旅行に行けなかったので、今回こうして熟年旅行を思いきって計画して実現できてよかったです。
休みを調整してくださった職場を含め、このような運をいただけたことが本当にありがたいなあ…と、しみじみ感じ思い出に残る旅となりました。

熊野は古くから“黄泉の国、死者の国、浄土”などと言われ、一度その地に足を踏み入れ、再び都や在地に戻ってくれば、魂が蘇ると信じられており、「死と再生の世界」であるとされています。

私たち夫婦にもいろんな人生の波がありましたし、きっとまだ何かあるかと思いますが、ピンチも考え方によってはチャンスに変えていける!という発想で、熊野のパワーもいただけたし、これからも力を合わせて乗り越えていきたいものですね〜。