淡路島への旅②

 
伊弉諾尊イザナギノミコト)・伊弉冊尊イザナミノミコト)の二神が国生みをされた時に、最初に造られた「おのころ島」は淡路島であるという説で、淡路島は国生み神話の舞台と言われています。

この「おのころ島」の具体的な場所については、「おのころ島神社」がある南あわじ市、淡路島南端の沼島、北端の絵島、あるいは淡路島全体、といった色々な説があるということです。

なので、淡路島には「国生み」由縁のイザナギイザナミの二神を御祭神とする神社や、「おのころ島」と言われている場所などがパワースポットとして点在しています。
今回は滞在時間が限られていたので、「伊弉諾(いざなぎ)神宮」と「おのころ島神社」の二社に行ってきました。

まずは「伊弉諾神宮」へ。
伊弉諾神宮は、イザナギノミコトが幽宮(かくりのみや)を構えて余生を過ごされた「日本最古の神社」ということです。 
(日本最古とは言え、本殿は禁足聖地であった御陵地を整地して、明治時代に移築されたということですが)

境内で一際目をひくのは、イザナギイザナミを象徴する御神木である天然記念物「夫婦大楠」。 
その大楠の隣には「岩楠神社」があり、「水蛭子(ヒルコ)」神を祀っています。
国生み神話で、イザナギイザナミのご夫婦が最初に生んだのができそこないの子ども(ヒルコ)で、葦の船で流してしまったというお話です。
こちらは、夫婦円満や子宝祈願のご利益、そして水子供養といった意味もきっとあるのでしょうね。
     
     

  
舞殿を兼ねた拝殿ではちょうど巫女さんの舞が執り行われておりました      

    

  
   本殿は三間社流造(ながれづくり) 
  立派な桧皮葺きは前方の幣殿・中門と連結して三段に見えます   
      

     

  
  夫婦大楠は樹齢900年以上 
その名の通り地上1mほどで二幹に分岐して大きく離れることなく伸びています
   

    

  
「放生の神池」 古くは放生神事(鳥や魚を放して生命の永続を祈る行事)
が行われていたそうです

 
伊弉諾神宮では、ちょっと首をかしげてしまうことがありました。
それは、門壁に参議院議員の顔入り立て看板が設置されており、拝殿前には「憲法改正の実現を」と書かれた青いのぼりが立てられてあったことです。
神社、それも格式高い「神宮」の“ご神域”と言われる場所で、政治色をアピールされるのは違和感をおぼえ、何だか残念な気分になりましたね…。


次に向かうは「おのころ島神社」。
おんぼろレンタカーのナビでは案内してもらえず、のんびりした田園風景の中に大きな朱い鳥居が見えたので、たどり着くことができました。
(この立派な大きな鳥居を写真に撮り忘れてしまったのだった…嗚呼)
神社の隣の保育園からは子どもたちの元気な声がし、社務所からはBGM?が流れており、地域に根づく温かな神社という印象をもちました。
 
   

 
御正殿は伊勢神宮と同じ神明造りで鰹木は八本もついています
格式の高い神社ということですね
   
    
   

 
 正殿の西側奥に八百萬神社 
確かにイザナギイザナミの御子様は八百万の神様ということになりますよね…
 
     
   

 
階段を上がってすぐの正殿前にある「鶺鴒(せきれい)石」は
縁結びにご利益がありそうで面白い場所です

 
ところで、神話上では確かにイザナギイザナミは初めて夫婦になったのですが、最終的には離縁しているんですよね。
離縁する際に、黄泉の国に行ったイザナミが一日に千人殺すと言ったのに対し、イザナギは千五百人の子どもが生まれるようにしてみせると返し、人間に寿命ができたというお話です。

イザナギイザナミの二神を祀る神社では、縁結びや子宝成就、そして命あるものへの感謝を願うとよいのでしょうね。 
このたび、思いがけず夫婦で淡路島を観光することになりましたが、なかなか満喫できましたね〜!