自分の持っているものを活かして生きる

秋から始まったドラマが、次々と最終回を迎えていますね。

火曜21時〜のドラマ、『僕らは奇跡でできている』、私はとても楽しみに観ていました。
教育的な要素を含むせいなのか、視聴率は芳しくなかったようですが。
高橋一生さん演じる、主人公の一樹さんが世間からは受け入れられにくいキャラだったように、なかなか一般的には感情移入しにくい内容なのでしょうかね。 


ちょっと、ドラマのネタバレになりますが。

最終回で、主人公の一樹さんは、『自分は周りの人たちによってできている、そして遠く離れていようが周りの人たちとは自分の中で繋がっている』ということに気づき、新たな一歩を踏み出す決心をします。

同僚の樫野木先生から言われたことに落ち込んでいた一樹さんは、おじいちゃんに「よかったな…」と言われます。
歯を抜くことになって落ち込んでいた時にも、おじいちゃんは「よかったな」と言いました。
歯を抜かなければいけなくなって、歯の大切さに気付くきっかけを得られたのだから。
 
おじいちゃんの「よかったな」で、一樹さんは気づくのです。

これまでの様々な困ったできごとが、新しい発見や楽しい変化を生み出していたことに。
心にひっかかっていたことの根本は何なのかを探ること、そして自分を変えるきっかけにしていけばいいんだと。
樫野木先生から受け取った難球を、一樹さんは真っ直ぐふんわりと投げ返すことで、樫野木先生自身にも変化が生まれます。

鮫島教授が学生たちに話す内容も、心に響きました。

一樹さんが持ち歩いている、ガラクタのような物がぎゅうぎゅう詰まったカンカン。
一見ガラクタに思われるようなアイスのおまけスプーンも、フィールドワークでは工夫して活かすことができる。
アイスのスプーンはスプーンのままで変わりない。
スプーンが他のものと比べて、何ができるとかできないとか、じゃない。
ただ、そのものを活かしきることが大切なんだ、と。

これは、一樹さんや人の存在そのものを言ってるんですよね。

自分は自分のまま。
自分が他の人と比べて、何ができるとかできないとか、じゃない。
ただ、自分そのものを生かしきること。
アイスのスプーンに秘められた可能性を探るように、自分の可能性を探ってみてごらん、ということですね。
 
人生というのは、その人を活かしていくのに必要な人が周りに集まるようになっていて、周囲との関わりが自分を築いていくのかも。
そして自分の可能性も、周りからの刺激で自分を見つめることがきっかけとなって発掘していける、ということなのでしょうね。

最後、一樹さんは宇宙遊泳していましたが、自分の内側にある無限のミクロコスモスを遊泳できたなら人生は充実したものになるよ!っていうメッセージなのかなあ、と感じました。
それぞれの登場人物の気持ちの葛藤からの変容が、清々しく感じるドラマでしたね。

番組のロケ地の巨木(静岡県にあるらしいです)も、いつか観に行ってみたいものです…。

    
  
 高橋一生さんの屈託のない笑顔は素敵でしたねえ♡