脳が自分の世界を作っている

最近、図書館で脳機能学者の苫米地英人氏の本を何冊か読みました。

たまたま選んだ本が似ていたせい?なのか、どれも同じようなことが書いてありましたが。

 

読んだ本の内容を自分なりに要約してみますと…

・人は、過去に刷り込まれた情動記憶によって築かれた「コンフォート・ゾーン(自分にとって心地よい領域~自己イメージ~)」を設定し、それに基づいて世界を見て感じている。

・過去の記憶による「コンフォート・ゾーン」を変えていかない限り、その人は無意識に現状を維持しようとし、パフォーマンスは制約される。

・「コンフォート・ゾーン」を継続的に拡げるためには、今の自分からは規格外のゴールを設定すること。リアリティのあるセルフイメージによって高揚感をもつことで、脳をだまして未来の記憶(実現力)を生み出すことができる。

・どんな状態の時でも、いい未来を実現できるプラスの情動をイメージしていき、どんどん抽象度を上げていくことが大切。

おおむね、「コーチング」と言われるメンタルマネジメントを促すような内容でしたね。

 

こちらの本の中では、認知科学から生まれた映画『マトリックス』にも触れておりました。

~「まずは親を超えなさい」~より

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マトリックス』では、指先や目から入ってくる電気的、化学的な神経情報をすべて脳幹にさしたインターフェイスが代わりにつくって、脳に渡してくれるという設定です。目や指からくる情報を認識するのではなく、あたかもそれが行われているかのように外部コンピュータが情報を生成し、その情報を脳に渡してしまうと、それが目の前の現実世界になるわけです。・・・

つまり、認知科学においては、現実世界やリアリティーの定義は簡単で、いま本人にとって臨場感のある世界がリアリティなのです。

 

映画『マトリックス』では、虚構の世界で死ぬと現実世界でも死んでしまうのですよね。

虚構世界でのリアリティのあるイメージと現実の身体は繋がって作用する、ということなのでしょう。

考えてみれば、薬物中毒や病気などによる幻聴や幻覚なども、その人にとってのリアルな世界、なんですよね。

その人の周りの世界は、脳内イメージによって創造される、ということで。

 

 著者は、オウム真理教でマインドコントロールされた信者の脱洗脳に尽力された方ですし、「自分の脳をコントロールすることで自分の望む世界を創造しなさい」ということだろうな、と感じましたが。

 マインドの高揚感の方向性によっては、薬物や犯罪に手を染めるとか宗教の暴走、といった社会の枠から外れる行動力も生むわけで、それぐらい高揚感を伴う脳内イメージというのは行動に結びつけるだけの力がある、ということですよね。

ま、自分で行動を起こすための気分が盛り上がるゴールを設定する、そして抽象度を上げた思考をとるよう心がけていれば、確実に自分の前に広がる世界は変わっていくんでしょうね。

しかし書いてあることは似たり寄ったりなのに、何となく何冊か読んでしまったのは、気持ちを揺さぶるような文章力(洗脳力?)があるんだろうなあ…。