わからないけどわかりたい…『おかえりモネ』『ショパンコンクール』…

朝ドラの『おかえりモネ』が最終回を迎えましたねえ。

私は朝ドラを全部観たのは『あまちゃん』以来で、はまって楽しく観ておりました。

このドラマは題名に「おかえり」が入っていますし、家族や地元愛、豊かな感受性など、‟蟹座”を感じさせるドラマだなあ…と思って観てたのですよね。

モネがいる場所にはいつも仲間たちが集まってきますし、都会の東京生活なのに古民家銭湯を改装した下宿生活やデートの場所も古びれたコインランドリーという設定なのも、面白かったです。

モネがサヤカさんみたいになりたい!と言った回では、「誰が来ても受け入れて、いつでも行っといでと送り出す。帰ってきたらおかえりって言ってあげる」…というセリフがありましたが、人が寄り合える居場所を重視した設定となっていましたよね。

人の抱える辛さははかり知れないけれど、痛みを想像してみる、寄り添いたいと思う気持ち、そういうことを丁寧に描いた脚本だったなあと思います。

そしてもう一つの大きな柱は、おじいちゃんのセリフ「なんも関係ねえように見えるもんが何かの役に立つっていうことは、世の中にいっぺえあるんだよ」というのに象徴されていたのかな、と思いました。

何もできなかった自分に対する罪悪感から「役に立つ」ことにこだわっていたモネが、空と山と海がみんな繋がっていることを知り、異なる世代や色々な境遇にある人たちの生き方に触れ、時をかけて変化し循環しながら少しずつ影響を与え合うことの素晴らしさを感じていく様が、描かれていたと思います。

最終回では、モネが「役に立たない」と封印してしまっていた大好きだった音楽に「おかえり」となったのが深い!というか、ほぉ~と思ったのですけど。

これは、乙女座と魚座の関係っぽいかもな…とか(笑)

風景の映像も美しく、菅波先生をはじめ、モネを取り巻く人たちが発するセリフに考えることも多い朝ドラでしたね。

 

さて、音楽ということで、更につぶやいてみますと…。

先日話題になっていた『ショパンコンクール2021』での演奏を、私もYouTubeで聴いてみたのですよね。

ファイナルの演奏曲が、『のだめ』のCDで聴き馴染みのあった『ピアノ協奏曲ホ短調第1番作品11』というのも、どんな演奏をされるのかな?と興味があったのでした。

音楽に疎い私には演奏の優劣などは全くわからないのですが、同じ曲なのに弾く人によって雰囲気は変わってくるものだなあ…ということは感じました。

ちなみに、この『ピアノ協奏曲ホ短調第1番作品11』というのは、ショパン20歳の時の作品(驚!)で、故郷ワルシャワを旅立つ時の情感と新たな地への飛翔の意が込められている曲。

映画「のだめカンタービレ 最終楽章」の中では、巨匠ミルヒーがのだめを本格的な音楽の世界に引き入れ、のだめが劇的な世界デビューを果たした演目として使われています。

ピアノが演奏されるまでのオーケストラの序奏も重厚で、映画の中でもインパクトのあるシーンでした。

ちなみに、のだめのCD(complete best 100)でのピアニストはLangLangさんで、映画の内容の影響もあると思いますが、葛藤を抱えながらもこれまでの自分を超えていく意志を感じさせる重々しさもある演奏のように感じられ、私はこのCD音源に馴染んでいたのですよね。

で、故郷からの旅立ちという視点で、聴いてみた私の印象では…。

優勝したリウ氏の演奏は、一音一音が瑞々しく軽やかに流れていくようで、移動する車窓からの移り行く風景描写を感じさせるようなイメージでしたね。

反田さんの演奏は、情感豊かでこれまでの思い出を叙情的にドラマチックに振り返りつつ、人生を歩んでいこうとするような雰囲気かな。

小林さんの演奏は繊細で、柔らかな小雨とか月夜の中にあって、感慨深く静かな時間を過ごしているような感じがあったかな。

…ま、私が勝手に思い描いてみた感想ですけど(笑)

YouTubeにはアルゲリッチさんが弾いていた(2010年)のもあったので聴いてみたのですが、コンクールではなくてコンサートというのもあるでしょうけど、躍動的で伸び伸びとした自由さのある雰囲気があって素敵でした。

クラッシックについては音の旋律を追いかけて曲の雰囲気を楽しんでいますし、誰の演奏とか音色の質とかも全くわからないしこだわらないので、演奏の違いを審査する人ってすごい能力だな(これは牡牛座的能力?)…と尊敬しましたね。

 

で、音楽って譜面は記号の集まりで普遍ですけど、それをどう読んで表現していくかで全然変わってくるんだなあという当たり前のことを、思い知らされたんですよねえ。

それは、普遍的な記号の集まりをその人の解釈で表現していく、ということで言えば占いも似ているかもなあ、と。

まあ占いは、記号が意味することの幅が広く組み合わせも多大なので、表現としては全然別モノになってしまうのですけどね。

占いも実際にすぐに役に立つかどうかではなく、心に潤いを与えてくれたりそっと背中を押してくれたりするものとして、音楽のように楽しんでいけたらいいのかなあと思っています。

 

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