直観力で成功する!


 「直観力で成功する!」 
   村田昌謙(心理学博士)著 
   毎日新聞社 1500円+税


図書館でふと目についたので、借りて読んでみました。
「マーフィ博士の易占い」が読み物としても面白く、「潜在意識」というキーワードに興味を持ったので、マーフィの本を何冊か読んではみたのですが、どれも「成功本」という意味合いが強く、事例と想念法を何度も繰り返し記載しているという感じで、ふうん〜という印象で終わっていました。

この本もジャンルとしては「成功本」だと思いますが、脳科学的な内容をわかりやすく書いてくれていることで、納得しながら読むことができました。
 
この本の内容を簡単に言うとすると、人間の意識は表層から「顕在意識」「潜在意識」「普遍(深層)意識」という層に分けられていて、質のよい直感とは「深層意識」からブクブクと湧き上がってくる水泡のようなものであるということ、ですかね。

「潜在意識」には、自分が思ったこと、語ったこと、経験したことの全記録が(無意識的に)貯蔵されており、想念の質によってマイナスやプラスの要素を含んだものに激しく変化する流れのある層であり、さらにその下にある「深層意識」とは普遍意識そのもので、外側からの情報・知識などの刺激に左右されない心、慈悲と知恵の生命エネルギーに満ちた層ということです。

表層の「顕在意識」や流れの激しい「潜在意識」の状態が落ち着かずに荒れていたら、「深層意識」から“ひらめき”である水泡が上がってきても気づくことはできません。

そして、素晴らしい直感やアイディア、ひらめきが生まれるのはストレスのない身も心もリラックスしている時(「顕在意識」と「潜在意識」が落ち着いている時)なのですが、そういうひらめきを得るためには、それまでにそのことについて問題意識をもって考え思索し続けていることが肝心だということです。
 
質のよい直感とは、ストレスや我欲が混じっていない、より深い「深層意識」から湧き出てくるもので、そのためには、瞑想・呼吸法・適度な運動・暗示・イメージ力(を鍛えること)が大事であると言っています。
 
ただ、直感の種類には「希望型直感」というものもあり、それは自分の欲望が土台になった目標や願望に沿った“思い込み型”や“期待型”のものであり、一時的成果はあってもそれに頼っていれば、後にとんでもない逆転劇が生じる可能性もあるとも言っています。

それに比べて「純粋型直感」とは安全で有益で永続性があるもので、それは人類全体に貢献するような発明・発見や芸術作品を生み出す想像力を導き出すような天才と言われる人たちが身につけている直感で、その能力は鍛錬によって誰もが高めることは可能だ?ということのようですが。

そうなると、マーフィが言うところの潜在能力を高めて成功をつかむというのは、一時的な「希望型直感」ということになるのでしょうかね・・・?

「希望型直感」には落とし穴もひそんでいるので、より安全な「純粋型直感」を追求していくためには、自分のメリットだけではなく他者の利益や喜びも本音で追及し続けていくことが大切であり、その結果として自分自身の豊かさや、名声、喜びにつながっていくようなシンクロニシティを引き起こすことにつながるのだ、ということです。

まあ、最終的に悟り的?な美しい思想に落ち着いたという感じもしないではないですけど、きっとそうなんでしょう・・・。

この本の中で私が一番興味をもったのは、モーツアルトのくだりのところです。

「私の想像力は、それらの一部を連続的に聴くのではなく、それらの全てを一度に聴くのだ。これは何と素晴らしいことなのか、私には表現することはできない!」
というモーツアルトの言葉から、著者はモーツアルトはすでに完成された形での曲を時間の経過抜きに瞬時に頭で聴いて作曲しているのであると捉えています。

天才的な芸術家や作曲家や小説家、もしかしたら“スターウォーズ”や“ハリーポッター”などの大作を創り出した人たちなんていうのは、最初から全体の構想ができあがったものとして、頭にバンッとイメージとして浮かんでいるのかもしれないですね。

四柱推命や易占いなども、あれこれと思索をめぐらすよりは、命式や卦を見ただけでイメージが浮かぶようになってきたら素晴らしいよなあ、なんて思ったのですが。

まあ、結局は何でも極めていくには、そこにいたるまでの修行や思いこだわることが必須ってことなんでしょうけどね・・・。