『君たちはどう生きるか』・・・象徴世界を考える

菜の花が風に揺れ、春めいてまいりました!

卒業シーズン到来、別れと出会いの季節ですねえ。

 

さて、先日アカデミー賞が発表され、『ゴジラ ー1.0』が視覚効果賞を受賞、『君たちはどう生きるか』が長編アニメ賞を受賞しましたよね~!

私は『ゴジラ ー1.0』は観てないのですが、『君たちはどう生きるか』は観ましたよ。

kimitachi019

 

君たちはどう生きるか』を観ての、私の感想は…というと。

宮崎駿監督がみている夢、を観させてもらっているような印象だったかなあ。

夢って展開がいきなりだったり、前後の辻褄が合わないけれど感情として成り立つというか。

いったいどういう意味だったのか…と、夢を解釈してみようとすることがあると思うのですが、そういった「?」な余韻が残りまくる内容でしたね(笑)

とにかく、潜在意識を繋ぎ合わせた夢のような世界観を、感覚的な領域で感じられる物語として仕立て上げ、繊細かつ膨大に作画展開していることが、本当に凄すぎる~!という感想でした。

『この世』から『あの世?』への少年の冒険活劇というストーリー展開なのですが、異世界の繋ぎ目や繋ぎ手となる『ハブ』のような象徴がたくさん出てきますし、これってどういう含みをもつんだろう?と、後をひくように考えさせられますね。

「生と死」「上と下」「冨と貧」「敵と味方」「本音と建て前」「悪意と好意」「食べる側と食べられる側」などなど…視点が反転していくことで、どちらの側に立つかで物ごとの見方が変わるし表裏一体であることを教えてくれるのは、宮崎作品ならではですよね。

宮崎監督の社会生活の軸のような存在だった高畑監督が亡くなった影響も強いのでしょう、過去に置いてきた葛藤や屈折などの潜在的な感情、老いるにつれて上昇していく精神性や輝かしい瞬間を懐古するような切なさなども感じられ、今の年齢だからこそ描けた情熱の世界観に魅せられました。

全体的な印象としては、『風の谷のナウシカ(アニメではなく漫画版)』や『もののけ姫』に感じたような、人類が過去に積み重ねてきた‟負の遺産”への怒りとか、理想世界もしょせんは人間の歪んだ虚像だという落胆を抱えながらも、それでも自分の芯をもって助け合える友と共に生きていこう!というような強いメッセージ性があったかと思います。

で、こういうメッセージ性って「水瓶座冥王星」っぽいかも?とか、主人公の亡くなった母親が火の巫女で出てきた時には「監督の(占星術での)月は確か牡羊座だったよな~」とか(笑)、象徴が編み出すストーリーを自分の中にある別の象徴で感じながら観てましたけどね。

そしてエンドロールで流れる米津さんの曲が心に浸みわたる名曲ですし、久石譲さんの音楽がこれまた宮崎ワールドにジャストマッチで、映画の背景を躍動的に彩っているのが、とても素晴らしかったです!

ということで、『君たちはどう生きるか』は、私にとっては面白くて好きな映画でした。

長い年月をかけ、多くの力を集結させ創りあげてきた作品のオスカー受賞、本当におめでとうございます!

 

で、私的には『君たちはどう生きるか』から‟水瓶座冥王星感”をなんとなく感じたのですが、1月21日から冥王星山羊座から水瓶座に移動しております。

冥王星の公転周期は約250年ということで、1つのサイン(星座)には20年近く滞在し、鈍重かつ重厚な影響でじわじわ~と『破壊と再生』の変化を促していく…とされる天体です。

で、私の抱く『山羊座冥王星』のイメージって、『ゴジラ』だったのですよね(笑)

山羊座は土のサインで、象意として箱とか枠と例えらえることがありますが、冥王星で「破壊・再生」していく、というイメージで。

これまでの20年にわたる山羊座冥王星時代では、積み重ねてきた伝統のある社会組織や経歴、当たり前だと思われていた常識やしきたりなどが、壊されて変容していった時代だったかなあ…と振り返ります。

水瓶座となると風のサインですし、山羊座への反発でまき散らす感じも出てきますから、保守的な価値観に閉じ込められない自由で未来志向をもたらしますね。

水瓶座には、『共時性・ネットワーク』とか『遠いところにあるものを持ち込む』といった象意があります。

で、私が抱く水瓶座冥王星とは、映画やアニメとかであるような、空間にぽっかり穴が開いて時空を繋ぐ…みたいなイメージが浮かぶんですよね(笑)

山羊座冥王星が箱を壊すなら、水瓶座冥王星は拡がるネットワークとか次元に穴を開けていくようなイメージですかね。

まあ、現実的に水瓶座冥王星時代に起こりそうなことを予想してみるに…というか、占いでなくても誰でも予想できそうなことばかりですが。

今後のAIの進歩は著しいでしょうし、それに伴ってネットの通信障害やハッキングや漏洩みたいな問題や事件もたくさん出てくるでしょうね。

今もマクドナルドでシステム障害が起きてますが、ある特定の場所でなく同時多発的に繋がって事象が起きる、というのが水瓶座的です。

そして温暖化によって大気層への影響や気象問題、原発などの電気エネルギーも切迫した問題となるだろう…という危惧もありますね。

草の根運動的に活動を拡げていた団体の動きが目立つとか、逆に解体するような動きもあるのかもしれません。

水瓶座には『未来・希望・理想・友・繋がり』『電気・科学・人工的な改革力』といった意味もありますから、非常事態として問題が明るみになることによって、人類の英知としての発明や革新力もたくさん生み出すのだろうとも思っております。

 

さて、最近読んだ石井ゆかりさんの『3年の星占い 牡羊座』の『はじめに』に書かれていた、象徴(シンボル)に対しての言語化が素晴らしかったので紹介します。

ちなみに、『3年の星占い』シリーズでは『はじめに』の文章は共通で、Amazonの「サンプルを読む」で、全文(『はじめに』だけ)読めますよ!

石井ゆかりさんが、今年から3年間の牡羊座に見出した『象徴』は野ウサギでした~

https://amzn.asia/d/1mYWNJb

~『はじめに』より抜粋~
世の中には「シンボル」がたくさんあります。
「フクロウは『不苦労」で縁起がよい」「鳩は平和のシンボル」など、置物やお菓子のモチーフになったりします。
ニューヨークの「自由の女神像」のような大きなものから、襟元につける小さな 「てんとう虫のブローチ (幸運を呼ぶ)」まで、人間は森羅万象、ありとあらゆるものに「意味」を見いだし、それを自由自在にあやつって、ゆたかな精神世界を編み上げてきました。
象徴など信じない、という科学的思考のはびこる現代社会にも、たとえば「国旗」
「県の花」などがバッチリ制定されていますし、会社を設立すればたいていは、すぐにロゴとマークを制作し、名刺などに刷り込みます。これらも立派な象徴、シンボルです。現代を生きる私たちも、まだまだシンボルを手放したわけではないのです。
実は「双子座」「蟹座」などという星座、さらに「木星」「土星」などの惑星も、私たちがそこに意味を見いだした象徴、シンボルそのものです。
「シンボル」には、いい意味も悪い意味もあります。たとえば「サル」は賢さを象徴する一方で、ズルさを表すこともあります。たいていのシンボルは両義的、つまり吉凶、善悪の両方が詰め込まれています。
「シンボル」に与えられた「意味」を調べるのは、辞書で単語の意味を引くのに似ていますが、その広がりは大きく異なります。シンボルはそれぞれがひとつの宇宙のようで、そのなかに実に豊饒な世界を内包しているからです。さらに、シンボルは想像力、イマジネーションでできあがっているので、外界に対してかたく閉じているわけでもなければ、その世界のサイズが決まっているわけでもありません。どこまでも広がっていく世界、ときには外界から新風さえ吹きこむ世界が、シンボルの抱いているミクロコスモスなのです。 たとえば「双子座の人」「乙女座の人」と言ったとき、その人々のイメージをひと言で限定的に言い表すことは、とてもできません。同じ双子座の人でも、その個性はさまざまに異なります。でも、そこに何かしら、一本似通ったベースラインのようなものが感じられたとしたら、それこそが「双子座」というシンボルの「軸」の感触なのです。シンボルとはそんなふうに、広がりがあり、開かれてもいる「世界観」です。
多くの人が、好きな数字や花、なぜか自分と近しく感じられる場所などを、心のなかに大切にあたためて「特別あつかい」しています。あらゆる物事のなかから特別な何かを選び出し、自分とのふしぎな結びつきを読み取る心が「象徴」の原点にあるのだろうと私は考えています。・・・

 

『象徴』が生み出す世界って、本当に膨大で深淵…ですよね。

宮崎作品は言葉よりも絵で訴えていることも多いですし、何度も観ていくことで発見する楽しさがあります。

アニメは芸術であって創造作品から想像力を養ってほしい、という願いも宮崎監督にはあるのだと思っています。

今夜と来週の金曜ロードショージブリ作品ということですが、『君たちはどう生きるか』のテレビ放送、いつかしてほしいですよね~。