四柱推命術密儀〜透派の本〜

 
 
 「正統十干 四柱推命術密儀」
  佐藤六龍・張燿文著  香草社



 ・十干の相互関係
 ・十二運の象意
 ・十干別の変通星の象意の違い
 ・体用による見方   etc・・・
 という内容が、透派独特?のやりかたで、簡潔な文章表現でまとめられています。


この本はかなり高額で、それも上級者向けのの本だそうです。
私はよく知らずに、古本で安く手に入れることができてラッキーだったのでした。 

最初読んだ時には出てくる専門用語もよくわからず、やはり著者曰く「猫に小判のようなもの」だったのですが、少し勉強が進んで十干の関係がある程度理解できた状態で読んでみると、なるほど〜と、少し理解が進みました。 

私が思うこの本の特徴は、十干の関係についていろんな視点から書かれてあるのですが、解釈の説明は割愛されていて、結果のみが簡単な言葉で書かれてある感じなのです。
なので、十干の関係についてある程度解釈できた状態でないと、書かれてあることは何となくさらっとはわかるけれど、納得するのは難しいのではと思います。
 
干の関係や象意など簡潔明瞭な短文で書かれてあるので、自分の頭の中を整理しやすい、まとめやすい、というメリットはあります。 
また、十二運のとりかたも独特で、戊己については燥土と湿土という観点に分けて「長生・建禄・帝旺・衰」に土の根がくるような取り方になっています。
私は日干が土なので、この十二運の方があっているような気もしました。
(これまでの年運などの関係から見ても)

そして、体用の取り方がこれまた独特です。
用神の取り方は天干のみに注目するのですが、「体神」とは命式の中で諸干の作用が集まる(どちらの方向に作用が向くかを考えて→の方向が集中する)ものを「体神」として選びます。
「用神」とは「体神」に直接作用を与える干であり、その位置関係で上(右)か下(左)かの正位(正位を選ばない干もあり)で、良い条件の方を「用神」として選びます。
そして、「体用」から「格局」を出していきます(従格は除く)。

この考え方でいくと、私は日干が用神になるのです。
そうすると、日干を主としていた体用の考え方が崩れるので、これまたよくわからなくなってしまうのです。

本文より〜 「日主」=本来の自分、「体神」=人生の目的、「用神」=思考と行動、「格局」=運命の重点 〜 
確かに自分の象意をみた時に、日干を用神として体神を他干にあてはめた方が、上の内容がしっくりあてはまる気がするのです。

本文より〜 「日主」が「体神」になっていませんと、「格局」なり「用神」なりが、「日主」を無視して「体神」にはたらきかけますから、成敗と幸不幸が全然別々になります 〜・・・ 
これも当たっているような、例としてどういうことが言えるのか思いつかないような・・・。

他にも透派のやり方で独特なのは冲合がある支は無作用(月支も)になるとみることです。
支のはたらきがあるのとないのとでは、全然考え方も変わるし、これによって外格が増えることになります。

透派の考え方の方がすっきりとわかりやすいし、思い当たるところもあるのですが、実際のところ自分にあてはまっているのかどうかもよくわからない状態だし、もう少し勉強を積み重ねなければ何とも言えません。

ただ、この本は、他の四柱推命の本にはないような哲学的な発想?がところどころにちりばめられていて学ぶところは多かったし、そんなに厚くはないけれど内容は濃く読み応えがあって、私は好きな本です。
多分、何度も読み返すことによって、どんどん考えを深めていける本なのでは、と思っています。
ただ、普通に買うには高すぎるよな〜・・・。