『好奇心を“天職”に変える空想教室』

  

 「好奇心を“天職”に変える空想教室」
  植松 努 著(植松電機 専務取締役) 
  サンクチュアリ出版


この本は図書館でタイトルが気になり、ページをめくると素人っぽいイラストに「小さな町工場でロケットを作っています」と書かれていたので、『下町ロケット』の原作みたいな本なのかな〜と思って借りてみたのですが。
ドラマの下町ロケットとはちょっと違ってました。

こちらの下町ロケットは…
なんと、部品ではなくてロケットをまるごと作って自分たちで宇宙に打ち上げているそうです!
人工衛星もまるごと作って打ち上げているそうです!!

宇宙に似た無重力状態を地上に再現する実験装置を作っており、JAXANASAの人たちが来るようにもなった工場だそうです。
そして驚きなのは、その工場の従業員は20人足らずで、その中には大学で宇宙の勉強をしてきた人は一人もいないそうなんです!!!
こんな所が日本(北海道)にあったなんて…。

この本は、ロケットのことを詳しく書いているわけではありません。
“夢の実現”について語られている本で、面白くてためになるし読みやすい本でした。 
読んだ後にアマゾンで見てみると高評価だったので、人気のある本だったのだな、と知りました。

著者は、小さな頃から潜水艦や飛行機やロケットが大好きで、専門書を熟読して夢を抱いていましたが、
『できもしない夢みたいなことばかり言っていないで勉強しろ。すごくお金がかかることだし、よっぽど頭が良くないと無理なんだ。現実をみろ。』
と、教師たちから再三「できない理由」を教えられ否定され続けてきた、といういきさつがあります。   


~ 本文より ~

そもそも夢=仕事なのでしょうか。
だとしたら、夢というものは“すでにこの世にある職業”の中からしか選べないのでしょうか。
・・・・・
「自分にできそうなことの中から選んだもの」が夢なのでしょうか。…   
いっぱい考えた結果、夢とは「今できないことを、追いかけること」だと確信したのです。
・・・・・  
大事なのは憧れです。憧れは未来をより良くするパワーです。
ぼくたちは憧れ続けるべきです。届かないものに手を伸ばし続けるべきです。
憧れさえあれば、ぼくたちは一生成長できるし、まだまだこれから先なんぼでも光輝くことができます。
もしも人が憧れをなくしてしまったら、どうなるでしょうか。
つまり「今の自分にできること」しかやらなくなってしまったら、どうなるでしょうか。
その瞬間、人の心の成長はピタッと止まり、あとは身体だけが、どんどん歳をとっていきます。
そしてある日気づいたら「見た目は大人、頭脳は子ども」という、名探偵コナンくんの逆の人が完成してしまいます。
解ける謎なんて一つもないです。毎日、迷宮入りです。
でもそういう人はいっぱいいるんですよ。
ぼくたちは憧れをやめちゃいけないんです。
届かないものに手を伸ばすんです。ジャンプし続けるんです。
そうしたら5年後の自分は、今の自分からは想像もつかないくらい素敵な人になります。
本当になります。だから憧れをやめないでください。 


著者いわく、「ちょっと変わった子ども」だったらしいですが。
これまで私は「ちょっと変わった」子どもたちに関わる機会は多かったので、こんな風に人には可能性があるってすごいなあと嬉しくなりました。
ま、教師が言ったことも夢をもつための準備としては必要な常識?だったと思いますが、それでも大人が褒めて応援する態度で接していたなら、子ども心への感じ方は違っていただろうになあ。
 

ほとんどの日本人は、夢も趣味も
「買うしかない」「してもらうしかない」「お金を払うしかない」
と思い込まされてる。
だから、お金がほしいのです。
でも本当は、夢とか趣味というものは、自分で考えて生み出すものです。
それはお金では買えないものです。
だからこそ、経験や、仲間の方が大切になります。
おまけにそれは仕事になるかもしれません。…
 

著者が母から教えてもらった言葉「思うは招く」というのは、誰でも何らかの形で実現した経験があるのじゃないかと思います。
本を書けたのも「小さい頃から本が好きだった」からで、好きなことはやっている時間が長いから、知らないうちに能力になっているのだ、ということ。

まさに「好きこそものの上手になあれ」じゃないか〜(笑)
自分にとっての幸せを手に入れるためにはどうしたらいいか、何をしたいのか、を考えてみて、あきらめずに日々夢を追いかけていこ〜!