ごめんよ・・・

 
旦那の仕事場の事務所(といっても、うちの真向かい)で飼っていた?野良猫のニャアちゃんが、2週間前に3匹の仔猫を生みました。
そのうちの1匹は弱っていたのですぐに死んでしまったのですが、2匹の仔猫はニャアちゃんが世話をして動きまわれるまで成長しました。
 
  

4日前、ニャアちゃんは猫の本能なのか2匹の仔猫を移動させてしまい、仔猫の姿がわからなくなりました。
朝、仔猫がいなくなっていたことに気づいた旦那がさがしまわったところ、本棚の影にあった入れ物に1匹が落ちていて弱っており、もう1匹はその近くで這いまわっていたそうです。
弱っていた1匹はその翌日、息をひきとって死んでしまいました。

ニャアちゃんはもう老猫なので歯が悪く、仔猫をくわえて入れ物の上にもちあげられなかったのでしょう。
それにお乳もあまりはっておらず出なくなっているようで、仔猫の栄養状態も心配でした。
それで、生き残った仔猫をうちに連れて帰り、人工保育を試みることにしました。
  
仔猫はすでに弱っていたので、近くの獣医さんに連れて行って点滴をうってもらいました。
保温が大切ということで、段ボールの片側にあんか(弱設定)をいれてバスタオルを敷き、ペットボトルにお湯を入れたのにタオルをまいて、もう片側にも置きました。
(真ん中には保温からの逃げ場も作りました)

仔猫用のミルクを湯煎で温め、買ってきた哺乳瓶や獣医さんでいただいた針のついていない注射器で飲ませようと試みるのですが、いやいやをして動きまわってうまく飲んでくれません。
ミルクを飲まなければ死んでしまうので、無理やり注射器で少しずつ口にふくませながら2時間おきに飲ませて、おしっこやうんちの排泄をうながしました。
 
その日のお昼ごはんをニャアちゃんがめずらしく食べにこないのでおかしいなあとさがしていると、隣の塀のかげにうずくまって動かないニャアちゃんを旦那が発見。
抱きかかえると、後ろ足の付け根のおなかがぼっこりふくらんでいます。
外傷は全くないものの元気がないし、これはきっと内臓にけがをしているかもしれないということで病院へ連れていくことにしました。

ところが、病院の午後受付は4時からということで先生は不在。
なんとか診てもらえる獣医さんを見つけて連れていきました。

どうも、交通事故か何か大きな衝撃によって腹膜が破れて内臓が出てきているのだろうということ。
しかし、その病院も本当は4時からなので、ちゃんと診断できる先生に診てもらわないとわからないから預かりますという返事で、ニャアちゃんを預けて不安に思いながら帰りました。
もしかしたら、ニャアちゃんは仔猫をさがしまわって事故にあったのかも・・・可哀想なことをしてしまいました。
夜の7時ごろにやっと電話をいただき、レントゲンの結果、やはり腸がでてきているということで翌朝手術をしますということでした。

仔猫は仔猫で相変わらず、ミルクを飲んでくれません。
脱水症状がとても心配で、夜中も2時間おきに少しずつですが注射器で無理やりミルクを口に含ませて、排泄をうながしました。

翌朝、まだミーミー鳴いて動きまわっていましたが、緑色の下痢をして体重も前日より10gほど減っています。
早く病院で仔猫に点滴を打ってもらいたかったのですが、朝はニャアちゃんの手術ということだったのでお昼まで待つことにしました。

2時に仔猫を病院へ連れて行くと、朝すると言っていた?ニャアちゃんの手術中ということでした。
それでも、1人の先生が出てきてくれて仔猫に点滴をうってくれました。

点滴の針を刺すと、仔猫は痛いのかびっくりしたのか、声をふりしぼるように鳴きながらあばれます。
私も一緒にがんばれよ〜とおさえ、なんとか点滴を打ち終わると、すぐにその先生は手術の方に戻ってしまいました。
しかも仔猫の口は苦しそうに開き、あえいで息をしており目も見開いています。

心配になった私は、またすぐに大声で、仔猫の調子が変です〜と、先生を呼びました。
主治医の先生が出てきてくれて、仔猫に心マをしてくれましたが、そのまま動かなくなり息をひきとりました。

すでに体力が弱っていたところに、点滴でショックを受けてしまったのかもしれません。
点滴を受けたら助かると思っていたのに、まさかこんなことになるなんて・・・突然のできごとに本当に茫然としてしまいました。

残念だったね・・・と先生は手術に戻り、しばらくしてケージに入ったニャアちゃんを連れて出てきました。
ニャアちゃんはかなりひどく腹膜が破れていたようで、おなかの中は血だらけだったそうです。
食べられるようになるまでは、入院して様子をみるということでした。
可哀想なニャアちゃん・・・。

仔猫に点滴を打った先生に、「この状態の親猫にとって仔猫を育てるのは負担だから、よかったのかもしれませんよ」と言われたけれど。
「死んでよかった命なんてないよ〜」と言いたくなったけれど、そんなことも言えず・・・。
お医者さんだって、死なそうと思って治療する人なんかいないだろうしな。
   
あ〜あ。
朝のうちにどこか別の病院にでも仔猫を点滴に連れて行ってあげれば助かったのかも・・・。
ミルクを飲ませるのも、点滴をするのも、仔猫を苦しめてばかりで、それも親と離してしまって本当に可哀想なことをしてしまいました。
しょうがないことだと思うしかないけれど。

病院の対応に疑問が残るわ〜と旦那に文句を言ったら、自分たちが病院に託したのだからおまかせするしかないんだよ、と悲しそうに言う彼も傷ついているのだろうし、誰かを非難してもしかたがないこと。
 
ニャアちゃん、仔猫の命を救ってあげられずにごめんよ。 
ニャアちゃんが無事に元気に帰ってきてくれるのを祈ろう・・・。