「動物占い」について

 
動物占い」というのは類似占いも数多く出ていますが、四柱推命の十二運でみた場合の個性学であり、大もとは増永篤彦(ペンネーム:三命方象)氏が研究されていた、人のタイプ論や四柱推命の著書の内容から生まれたものであるようです。

日柱の十二運から12種類の動物キャラを設定し、さらに細分した60分類キャラというのは、十干の性質も加えた六十干支(納音五行も含む?)の性質からきています。

ちなみに三命方象氏の「生まれ日占星術 個性学入門」(1978 洛陽書房 絶版)を読んでみましたが、これは四柱推命で六十干支別(男女別なので120分類ともいえる?)に性格分類した書籍であり、現在出まわっている「動物占い」の60種類のキャラの記述内容と、表現に少しの違いはあるものの(難しい熟語や古い言いまわしなどがわかりやすくなっているだけで)、ほぼ同じであり驚きでした。
増永篤彦氏は昭和に活躍された京大出の心理学者で、実際にたくさんの事例を研究されてきた方なんだろうなと思われます。

 

『「性格&相性」まるごとわかる動物キャラナビ 』
 弦本 将裕 (著)、 田島 みるく(イラスト) 日本文芸社


 
〜本文より〜
『動物キャラナビは、行動心理学、四柱推命カバラ占星術、宿曜経などをベースに生まれた実践心理学でもあります。とくに「東洋の英知」と言われる中国の四柱推命から大きなヒントを得たものです。四柱推命は日本では“占い”扱いですが、実際は千年以上をかけて1億人以上のデータを分析し、多くの人に当てはまると実証された「世界最大の統計学」、つまり“心の科学”です。動物キャラナビは「心の科学」を受け継ぎ、変化の多い現代に柔軟に対応して、今も進化を続けています。』

と書かれてあるように、絵つきでおもしろわかりやすい内容なので、十二運の傾向をイメージするのにも役立ちますし、“現代に柔軟に対応された”四柱推命(なのか?)の本になっているのかなと思います。  
 
自分が四柱推命の勉強をしてみて気づいたのは、「本質キャラ」(日支の十二運)については当たっていると思われる場合が多いのですが、「表面キャラ」(月支)や「意思決定キャラ」(年支)、「希望キャラ」(時支)までを十二運にあてはめていいのか?どうなんだ・・・という印象です。

月令は重要ということを考えると、「表面キャラ」については自分の個性に当てはまる部分を見出せるのかなあとも考えられますが。
表面に現れる性格(人から見た性格)については、やはり十二運よりは年干の通変星でみた方が当たっているような気がしています。

そして、リズム(年運・月運)については、日干からみた通変星による年・月巡りを見ただけのものになっており、個人の命式のバランスを一切無視したものなので、ほとんど当てにはできないのではないでしょうか。

ラッキーカラーについても、日干を五行で見た場合のカラーにすぎないし。
上記の本については、いろいろな情報をごちゃまぜに、それぞれのキャラに無理にあてはめた感を受けてしまいます。
ま、四柱推命に取り組む上で、性格や適性とかを推考するのには参考になるので、実は結構よく見る本なのですけどね。


調べてみると、「動物占い」と同じような内容をもつ「素質論」や「バースデイサイエンス」などなど、誕生日による統計個性学は数多くあり・・・そういうのを人々に伝授するための資格のようなものもあるようですが。

誕生日による個性学は、個人の適性の傾向を知るとか、対人関係でどういうアプローチをしていけば相手の個性を尊重してあげられる対応ができるのか、などにとても役に立つ内容であると思います。
なので、人間関係を円滑にすることで効率をあげられる組織や営業職だとか、人を育てていく立場にある人にとっては、知っておいて損はない有効なものとなるでしょう。

まあでも私的には、やはり占術の方が魅力があるかなあ。
誕生日の暦の並びから推察する過程や神秘性、何故そういう考え方をするのかを知ること自体が気になって占いにはまっているので、こういう誕生日のデータで決められた性格というのは、あまり広がりを感じられないというか・・・想像する楽しみがないという感じかな。

実利を伴わない、個人の趣味という範疇の話ですけどね。
 (私は“夢見がちで現実主義者な子守熊”ですから)
    
今、増永氏のことが気になって彼の心理学系の本「人の研究」「性格入門」の2冊を古本で購入して(絶版なので割高だし・・・)読んではおりますが、か〜なり文章が難しいのですなあ。
やはり、古い文献を今の情勢に合わせてわかりやすく提供してくれる本の存在ってありがたいよな・・・と思うのでした。