「子平推命 基礎大全」

   

  「 子平推命 基礎大全  」
    梁湘潤 (著) 田中 要一郎 (訳) 太玄社



最近の占いの勉強は、主に「紫微斗数」に取り組んでおりまして、四柱推命の本を購入したのはかなり久しぶりでした。
帯に「台湾の至宝 子平推命の大家による名著 子平を志すもの必見・必読の書」と書かれてあり、惹きつけられますよね…。
 
この本は「子平推命」とありますが、日本の透派の「子平推命」とは全く異なるものでした。
透派と違って外格の成立の条件は厳しく、そのうち貴命となるものもわずかという印象でした。

この子平推命の特徴としては、各流派によって考え方が変わってくる地支蔵干の取り方が、これまた独特でした。
節入りからの日数を数えて、余気 中気 正気、としますが、深さに関係なく全てをとり、三合、三会を含みます。

そして四子正(子、午、卯、酉)については禄で旺じる、子:癸、卯:乙、酉:辛を、午は土を含む丁己、の二干をとります。
格局の取り方については、蔵干の十神(通変星)が、どの柱の天干に透干するかの優先順位で決定されます。
その格局も1つに絞り込むというのではなく、いくつかの格を兼ねるという考え方をします。

「神殺」を採用し、十二運での旺絶や刑冲合会をみて象意を判断します。
という感じですかね…。

この本での格局の取り方は、蔵干にある十神が天干に出ているかを見ればよいので、とりあえずは割と簡単に格局を取ることはできると思います。
が、命式の強弱とか吉凶の判断となると、やはり経験や知識が大事でありますので、まだよくはわからないまま…かもな。

面白いなと思ったのは、十神定位法の説明です。
たとえば、
『正官が絶の月支に座していると、何格になるかは関係なく、女命はすべて30歳以前に恋愛で妨げがあるので、晩婚の方がよいと判断できます』
など、どの十神がどこに座しているか、また隣の干との関係で「統計学」的な吉凶に分類することができるようになる、という看命方法です。

この「統計学」的な象意が、随所に記載されています。
(が、どうしてそういう読みになるのかは詳しく説明されておりませんので、基礎を複合して考えられるように熟得しなければ難しい)
まあ、この「統計学」的な象意というのが、どれほどの確率で起こるのかはよくわからないので、そういう傾向がある、という風にとらえるぐらいがよいのかな、とは思いますが。
 
やはり四柱推命については、流派によって解釈が異なるというのが本当にやっかいで難しいですね。
訳者のあとがきにもありますが、
『子平には様々な流派があり、古典があり、それぞれによって子平の見方は違うものです。
流派によって言葉の定義も違い、同じ用語であっても、定義が違うので、流派が違う者同士、話はかみ合わない場合が多々あります。
というより、同じ流派であっても、個人個人で見解が違う場合がありますので、結局、子平は一人一派というふうに思えます。』

という文章に納得します。
 
私の命式では、本を書いた方の流派によって、正官格となったり従旺格となったり、またこの本では正印格であり羊刃格でもあるということになりますからね…(笑)
四柱推命では、八字の配列でその人の性格や生き方の傾向はある程度は予測できるかとは思いますが、年運などの吉凶の予測については、本を読めば読むほど難しい、ということを再確認した次第でした。

そして、以前勉強していた内容をすっかり忘れてしまっていることも多く、記憶能力が衰えていることを再確認させられたのでした…(嗚呼)