フライング・スター風水術

   
「人生が劇的に変わる実践香港風水 フライング・スター風水術」
   福田英嗣著  明窓出版

 
住宅風水の本はたまに読むのですが、実際に取り組むのは難しいのではないかと思っています。
四神相応など、その土地や地形がもつパワーというのは、元々あるのだろうとは思うのですが。

一人暮らしならば生年月日の命卦で運気アップを考えていくことはできますが、家族で暮らす場合はそれぞれの命卦が異なるわけで、誰かにとってよい風水も誰かにとってはよくない…ということになるし。
(この場合、一家の主の命卦を重視するということですが) 
こちらの本は一般の風水?とは少し違うようで、アマゾンでの口コミ人気も高かったので、興味深々で読んでみました。
 
この「玄空飛星派風水」では、伝統的な山水形勢である「龍・穴・砂・水・明堂・案山」や個人の命卦も、もちろん考慮に入れるのですが、坐向(建物の向き)と建物が建った年月、そして現在がどの年運にあたるか、などを重要視して総合的に分析していく、という看方をします。

坐向についても、玄関の向きではなく陰陽で考え、活動的・開放的な空間は陽で「向」、静的で地味で私的な空間は陰で「坐」となり、この見極めが重要になります。

実際の鑑定については、建物の竣工年月からチャートに数字を配し、坐向から「水星」と「山星」の数字をそれぞれ配し、各方角にある3つの数字を元にして今の年運と自分の命卦とを比較しながら良否を検討していきます。

20年毎に三元九運という年運が変わっていき、今は第8運なので8、9、1…で吉性が強い数字となり、水星や山星に命卦と同じ数字がある方位は、その影響を受けやすいとみます。
また、数字の組み合わせによっても吉凶の象意が出てきます。

水星(財運)、山星(人運)が悪ければ、水や山となる物を設置する、五行の相洩サイクルを取り入れたアイテムを利用していくことで開運を図ります。
ただこの場合、水星の補助として水槽などは使いやすいですが、大がかりなもので噴水の設置や、山星の補助でも倉庫や樹木…と考えると、土地や金銭的にも現実的にはちょっと難しいかな…と。
まあ、水となる玄関の位置は変えにくいですが勝手口などから出入りする、山となる寝室を移動するなどで、方策はあるのだろうとは思いますが。

この本は、東洋占術の初心者が読むのには結構難しいのではないのかなと感じました。
私は少しは知識があったのですが、それでも何度もページを前に戻って確認しながら読みました。

八卦の、1=坎(北)、2=坤(南西)、3=震(東)、4=巽(東南)、5=なし(中央)、6=乾(北西)、7=兌(西)、8=艮(北東)、9=離(南)といった、数字や方位が理解できていないと、すんなりとは読み進みにくいのでは?と思います。

そして、この八卦の属する五行が五行の相洩サイクルにもつながっていきますし、洛書や河図の数字配列パターン、さらには巻末の五鬼をつかった方策ともなると変爻の法則や、紫微斗数で使われる星も出てきて廉貞を山、巨門を水として鑑定していく方法もあり…で、かなり専門的な内容となっています。
紫微斗数では吉星とされる禄存が凶星となっていたのには驚きでしたが)

とにかく、ポイントがたくさんな内容なのに値段は安価なので、学びたい人には良書だと思います。
 
今はアパート住まいで日も浅く、実際に鑑定もしていないので、この玄空飛星派風水が当たっているのかもよくわかりませんが、とにかくよい勉強になりました。
今後、引っ越し先を検討していくのに、勉強がてら取り組んでみたいなと思っています。