「占星術研究会」の本

忙しい日々を何とか乗り越えたパートのお給料、がんばった自分へのご褒美ということで、少々お高い本を購入してみました。
以前から気になっていた、松村潔氏の絶版本です。
  
  
 「シャングリラ・プレス」発行の占星術研究会の本


松村氏の最近の本はヘミシンク系の内容が多いようですが、初学者の私にはホロスコープを解読するという基本的なことを学ぶ上では、こちらの古本は大変読みやすくて参考になりました。
それぞれ当時の2〜3倍の値段でしたが、まだ安く購入できた方です。
(1冊1万円以上で売られているのを見かけますので…)

どちらの本も大変ためになりました。
特に左側の「占星術研究会」は、研究会でのセッションの様子にコラムやデータを加えた、市販本では見かけないような内容でしたので読み応えがありました。

たくさんの本を読んだところで、実際にホロスコープを読もうとするとどういう事象が現れるのか、複合的な読み方などがよくわからないのですが、松村氏の説明(それも口語体記述なのでわかりやすい)は、なるほど〜すごいなあと感じます。

松村氏は比喩表現が上手で、それも日常的なたとえで解説しているので理解しやすいです。
持っている占い関係の本は、一度読むと読み返す場合には重要な部分や知りたい場所についてのみを読むことが多いのですが、こちらの本は、何度も最初から読み返したいと思える本でしたね。
 
右側の本は、「完全マスター西洋占星術」の中身と重複する内容もありますが(サインや天体の意味説明など)、ハウスについての説明は私にとってはわかりやすく感じましたし、事例も1例だけでしたが、読み方としては新しい気づきがたくさんありました。
この本では、マイナーアスペクトも紹介しており、自分のホロスコープを調べてみるとタイトなマイナーアスペクトを5つ見つけたのがちょっと驚きでした。

そして、いいなと思ったのは最初の「占星術の質問箱」の文章です。
占いのとらえ方が柔軟で好きですね。

〜本文より〜 

たとえば、あなたが、今までの人生でつらい経験をしてきたとします。その体験の意味をホロスコープの分析で解きあかせれば、少なくとも気持ちの整理がつくでしょう。ホロスコープを読む最大のメリットは、人生全体を空の上から全貌をかいま見るような、鳥瞰的な視野が与えられること。
それにより、今までバラバラで無意味に見えてきた体験の数々に対する、統合的な連続性と意味を得られます。不幸な出来事の中に「不幸」を超える意義を見出せるように、自分の体験を肯定的にとらえられる可能性も大きいのです。このように自分の行動パターンや考え方を自覚するならば、自覚なしに運命に翻弄されるよりずっと幸せではないかと、私には思えるのです。
 ・・・・・
ホロスコープとは、言葉で説明する以前の、その人の構造を提示してくるツールなのです。ならば、占った結果としての具体的な説明は、言葉で説明する段階で生じる解釈の問題プラス、コミュニケーションの問題も含めて、ホロスコープの意義とはまた違うものと言えましょう。
 ・・・・・
占星術が当たるかどうか、有効性があるのかないのかは、要するに象徴的な世界と現実の世界の差異を、どの程度巧妙に言語化の過程で埋められるかという、各々個人の手腕に依存する問題です。 

 
占術は占う読み手の経験や人生観によって、読み方の表現やスポットの当て方などが変わってくるということですね。
独りよがりの考え方ではなく、人に占ってもらうことで得られる気づきも大きいと思いますが、それは一つの視点だという認識が大切で、最終的には自身で取捨選択していくためのツールとして占いをとらえるべきです。

少々割高なお買いものでしたが、占い講座に通った以上の収穫を得られた気分で、とても満足しました!