山羊座満月 『西の魔女が死んだ』を再読

連休最終日ですね。

大雨による被害も出ていますし、郊外で過ごすにはちょっと難しいお天気でしたが。

毎年7月は、大雨を心配する時節となってしまったようにも感じます。

水不足を心配していた矢先の恵みの雨とはいえ、都合よくはいかないものですね…。

 

さて、14日は山羊座で満月でした。

 

 

上半分に天体が多いですし、起きることが社会的に目立ちやすい、ということになるかと思います。

蟹座―山羊座での満月ですし、同調性も強い雰囲気。

月は山羊座で7ハウスにあって、近くには8ハウスに入っていく冥王星があります。

月・冥王星的なことが社会的にオープンになって、それも執拗に踏み込んでいく…みたいな感じにも考えられるかな。

 

満月軸は22度(数え)で、21度では尖って走っていた行動性を、22度ではクールダウンして安定させていく意味があります。

月の山羊座22度のサビアンシンボルは、『敗北を優美に認める将軍』

山羊座の示す社会的な面では敗北という結果になっても、結果が全てじゃなく挑戦したことで得たものもあった、と落ち着いて認識する過程を意味しているかと。

ですが、この月には冥王星が近くにありますし、未来の11ハウスにある改革を意味する天王星や10ハウスの海王星との関係もありますから、敗北は認めつつも転んでもただでは起きないぞ!といった、敗者復活を狙っているような感じにも見えてくるかな。

 

反対側の太陽は1ハウスにあって、リリスと合の水星が近くにあります。

太陽の蟹座22度のサビアンシンボルは、『ヨットを待つ女』

蟹座のあふれる情感をクールダウンさせつつ、愛情で満たしてくれるものを海辺で待つという感じで、理想や夢を持ち続けるような意味があります。

近くにあるリリス・水星は、表に出てこなかったタブーとされるような情報、という意味も考えられますし、そういった情報による同調意識を期待しつつ押し出そうとする感じにも思えます。

魚座MCとはトラインですし社会的に話題性も強いですが、魚座海王星リリスなので実体がよくわからない曖昧な雰囲気を感じられる配置ですね。

 

で、この感じは、安倍元首相銃殺事件の犯人の母親が、宗教に傾倒して家庭が破綻してしまったことが公になることで、宗教の献金問題の裏事情が浮上している、といったことが出てるっぽいなあ…と。

MCが魚座海王星が高い位置にありますし、これまた隠れた場所にあるゴシップを好むような双子座金星との関係もあって、宗教ネタはおおっぴらになりやすい配置とも言えるかと。

 

魚座海王星と共に、6ハウス支配星の木星も10ハウスにありますから、コロナ感染の拡大も示しているようにも考えられますね。

9ハウスで逆行中の土星は、天王星と近づいてスクエアがタイトになっていきますし、金星との関係もあって、隠れた資金ぐりに対して過去に遡ってのシビアな追求みたいな感じにも見えてきますが。

まあ思いっきり、当て読みですけどね。

 

さて、私の満月頃はといえば、久しぶりに、『西の魔女が死んだ梨木香歩著~』を、図書館で借りて読み返しました。

この本は持っていたのですけど、以前勤めていた保健室に‟お勧め本”ということで私物の本を何冊か置いていて、辞める時に全部寄贈してきたのですよね。

 

‟西の魔女”である英国人のおばあちゃんが死んだところから、お話が始まります。

物語はおばあちゃんが亡くなる2年前、中学1年生だった主人公の女の子、まいが不登校となり、喘息の治療も兼ねて辺境の地にあるおばあちゃんの家で過ごした1か月間のできごとが中心となっています。

主人公のまいは平然とした風を装っているものの、女子同士の付き合いを強いられる「同調圧力」から学校に居場所を見出せず、家では両親の話を盗み聞きして親を失望させてしまったと不安に思い、大好きなおばあちゃんまで失望させないか?と周りの空気や目線に敏感になっている女の子。

おばあちゃんの不思議な話を聴き、夢の中での「西へ」というメッセージで、‟魔女修行”を始めることにします。

しかし、「聖域」だと思っていたおばあちゃんの家でも、近所に住む汚らわしいと感じる男の存在や、蛇を見た記憶だったり鶏が殺されてしまう事件があったりで、自分のエリアに侵入してくるものの存在に不安に思い、味方だと思っていたおばあちゃんとの間にも少しわだかまりを残したまま別れを告げることになります。

おばあちゃんに罪悪感を感じつつ、次に会った時にはこういう風に話そうかと、‟魔女修行”は続けながら新しい生活先でやり過ごしていた時、突然の訃報に愕然とし…。

目の前が開けていくようなラストを迎えるのですが。

 

この物語では、「目の前のサプライズの‟生”を楽しんで!」という西の魔女のメッセージが、優しく包み込むようなホールド感で描かれています。

「いちばん大切なのは、意志の力。自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力です」と、魔女は言います。

親子3代で、それぞれに直面する課題や生き方に対しての考え方も違いますが、共通しているのは、自分の外側にある厳しい環境と共存しつつ、困難をかわして耐え抜く力をつけていくべく、日々魔女修行しているのだなあと感じます。

まいが「おばあちゃん、大好き!」と言うと、おばあちゃんは「I know(知ってる)」と毎回受けとめるのが、どんなことがあっても私はあなたの愛情を知っていますよ、大丈夫、ありがとう…というニュアンスで、素敵なのですよね。

結末は知っているのに、最後はいつもじんわり心揺さぶられます。

私は、この‟西の魔女”の生き方が、昔から憧れです。

おばあちゃんの方に近い年齢になってきたものの、今回も子どもの「まい」の感覚に同調しながら読んでいましたけどね。

 

今回の満月図のチャートは、押し出しのASCは蟹座でMCは魚座ですし、どちらも水のサインなので、繊細な共感能力がありますね。

そして、満月図の西側にある月と冥王星の関係性も、感情の限界を超えるとか耐久度の高さといった意味もありますが、極限的な母親とかグレートマザーなど魔女的な意味もあるでしょう。

西の魔女が死んだ』という作品を再読してみて、意外と満月図にも合致するような心象だったかもな…と感じました。

 

装丁も素敵になってますし、また買って手元に置いておこうかな…