『ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ 原子力を受け入れた日本』

甲子園の熱戦が終わり、学校もぼちぼち始まりで、夏も過ぎ行く…ですね。

獅子座にあった太陽が、23日に乙女座入りしました。

太陽が獅子座にあった期間、私は父の誕生日祝いのために写真をコラージュしたり川柳を考えたりしていたので、一応創作活動はしていたかな。

急きょ祖父母の土地の売買契約が成立しそうですし、家のことをあれこれやっていたのは、P月が4ハウスに近づいたからかも?

 

さて、読み返した本についてブログを書きかけていたのですが、気づけばズルズルと日が過ぎてしまいました。

 

著者が長年調べ、学んできた「核」にまつわる歴史や思いが、書かれた本です。

ナチスへの対抗策として始めたアメリカの原子爆弾の開発が、対ソ連への覇権争いへの切り札となっていったこと。

科学者・技術者たちの葛藤や奔走、原爆が落とされるまでの経緯、核の恐ろしさを一番知っている日本がどうして核エネルギーの原発を受け入れたのか…など。

私が疑問に思っていたところと共感することも多かったですし、平和教育の在り方についても考えさせられましたし、知らされないうちに上の方で事が進んでいくことへの怖さと無力感も感じましたね…。

 

本文抜粋

日本は二十世紀から二十一世紀にかけて、合わせて五回も被爆をしている稀有な国です。まるで核の烙印を押されたかのように、被ばくを繰り返しています。

1945年の広島、長崎への原爆投下、これは人類史上初めて、核が人間の頭上に落とされた歴史的な出来事でした。そして、1954年にはアメリカの水爆実験によって第五福竜丸の乗組員が被ばくしました。1999年には東海村原子力関連施設で臨界事故がありました。

そして2011年3月11日、歴史上2度目のレベル7に達した福島第一原子力発電所の臨界事故が起こりました。福島原発の事故は世界中の注目を集め、福島は広島、長崎に続いて世界から「フクシマ」という固有名詞で呼ばれる特別な場所へと変貌したのです。

日本人が核に対しては激しい憎悪と怒りを感じているのはあたりまえです。核の行使には絶対に反対だと思っていました。ところが、その後、日本は原子力を導入し、高度成長期に日本中に原子力発電所を建設します。そして、世界でも有数の原発大国となっていくのです。核を憎んでいたはずの日本が、なぜ核エネルギーを受け入れ、多くの原子力発電所を有する国になったのか、とても不思議ではないでしょうか。

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広島と長崎に原爆が落とされたことは、世界発の原爆国として日本に特別な意味を与えました。原爆の悲惨さはまことに言語に絶するものです。でもその事実がやがて政治的に利用されるようになります。被爆国日本として国民に「平和教育」をすすめてきました。そこでは核兵器は絶対に悪でした。

でも、反面、核の平和利用としての原子力アメリカによって推進されてきました。その矛盾は指摘されることがありませんでした。

被ばくは感情と結びつけられて語られてきました。核の問題としての国家戦略からなるべく遠くに置かれました。怒り、悲しみは「被ばくの悲惨」に向けられました。なぜ原爆が落とされたのか、原爆とはなにか、それは倫理的に正しいことなのか。アメリカ批判に通じる議論はおおむね「社会主義者の言い分」であるかのように錯覚させられてきました。

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二十世紀になぜ二つの世界大戦が起こり、その過程において個々の人間がそれぞれの立場から何を考え、どう行動してきたか…ということを、考え学ぶ…という授業を日本の歴史教育のなかに見ることはとても稀です。ましてや原子力発電の導入時に何が行われたのかということなど、公の場で議論すらされずにきました。つまり、私たちはあまり歴史から学ぼうとしていません。その結果が、この現状なのです。

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この本が発行されたのは2011年9月で、11年が経過しました。

原子力の不吉な真実に直面しながらも、その大きなエネルギーの恩恵に頼らざるを得ないという、「核」のダブルスタンダード・屈折した思いを抱きながら、核の脅威は更に増しています。

チェルノブイリ原発事故のあったウクライナがロシアによって危険にさらされていますし、西側(米国)とで戦々恐々としています。

岸田首相は、新型原発の増設を検討していく姿勢を表明したそうです。

ランディさんは対話こそが大事だと言います。

『感情をコントロールすることを学び、どのように意見の異なる他者とも話し合いによる解決を放棄せず、貪欲さを捨て、バランス感覚を磨くことで問題を乗り切っていくことが、科学技術を発展させてしまった私たち人類の生きる道なのだと思います。』

悲劇が繰り返されないことを祈るばかりです…。

 

そして、原爆投下時のチャートも調べてみたのですが。

(左がヒロシマ、右がナガサキ


このチャートを見て、衝撃を受けました。

アスペクト的にはハードではなく、むしろ天王星(火星)や冥王星の活気を肯定的に示したようなチャートなんですよね…。

広島に落とされたのは、ウラン型の原子力爆弾で、天王星(uranium)が火星と共に天上のMCの達成の場所にあり、双子座の技術力の開発が存分に発揮され、革命を起こしたようなチャートになっているように見えます。

一方、長崎に落とされたのはプルトニウム型の原子力爆弾ということで、冥王星Pluto)は太陽と共に、これまた10ハウスの高い位置にあります。

どちらのチャートでも獅子座の太陽・冥王星が双子座の天王星・火星とはセクスタイル

この関係は革新的な技術力で非常な破壊力を生み出す、と読めるかと思いますが、セクスタイルはソフト(吉的な意味)アスペクトなので、占星術的にはそれが建設的に成される…という解釈になると思うのです。

人々や地球にとっては絶対的な凶で悲劇・絶望的な出来事が、チャートでは天王星の最先端の技術力を讃えているかのようで…。

この悲劇的な出来事が、日本に終戦を迎えるきっかけとなった(そして情報を示す水星は広島図では隠れた12ハウスにあって真意は隠蔽される…)ことを示している、という風にも考えられるかと思いますが…。

 

このチャートの中で、犠牲になるとか悲劇的な意味をもたらしているのは、蟹座で孤立する土星(広島図では月と合)、天秤座にある海王星とキロンの合が蟹座金星とスクエア、ということでしょうか。

蟹座の家・家族的なものや基盤となるものが、傷ついて孤立的になるとか、儚く現実的でないようなものになるといった意味は出てくるかと思います。

蟹座ー山羊座のノード軸が海王星とはスクエアということも、海王星的な現実離れした浮世の世界観を生活や社会の現場へと引き寄せる、という解釈もできるでしょう。

(ちなみに、3.11の時も海王星はキロンと合、ノード軸とは調停の関係でした)

 

このチャートを見た時に、(マンディーン)占星術で人を主体とした、人にとっての吉凶で読んでいくことの難しさを感じたのでした。

アスペクトは吉凶というよりは、事を起こす時に問題なくスムーズにいくかどうか、という風に考えよ、ということかな…と思いましたが。

トランスサタニアン(天王星海王星冥王星)も、‟ダブルスタンダード”の厳しい意味をもつ、ということなんだと思い知りましたね…。