『森田療法』

5月末から自律神経が高ぶってオフできない感じになってしまい、これは何とかしなければ…と、一人焦っておりました。

まあパート勤務を始めたことが、大きな原因なのですがね。

で、自律神経失調症で検索していて見つけたのが、『森田療法』という治療方法でした。

この『森田療法』では、「症状に意識を向けて不安をコントロールしようとすることが、一番の悪化の原因である」ということが書かれてあり、まさにこの状態じゃないか…と思いまして。

コントロールせねば…と思っていたことが、そもそも自律神経の乱れを増強させてしまっていたんだなあと気づき、『森田療法』について少し学んでみました。

 

図書館で借りて読んだ本☟

 

右)『森田療法で読むパニック障害 その理解と治し方』~北西憲二著~より抜粋

私たちは常に未来に向かって自分を形成しつつあるが、その未来は実現していない無、たんなる可能性であり、その無という深淵にたじろいでいる感情が不安である。

つまり、人は不安を抱えて生きている存在であり、その不安を引き受けたときに自分の可能性、自己形成のプロセスが見えてくるのであろう。

(中略)

神経症的な不安の特徴として》

①無定形である(形がない、それゆえ私たちは不安に耐えがたいのである)
②びまん性である(全体的に私たちの精神生活を侵していく、だから私たちはそれに圧倒されるのである)
③無力感である(対抗するすべがないと感じるから苦悩はつのる)
④回避を伴う(したがって、不安を引き起こすと思われるさまざまな刺激、場所その他を回避する)

ということで。

緊張により肉体的な違和感を伴うことで不安や恐怖が生まれ、何とかせねば…と関心が繰り返し集中して更に不安を増強させてしまうことを、森田療法では「とらわれ」の状態だと言います。

そして、肉体的な症状が起きてしまうことへの不安感を何とか排除しようとして、不安を引き起こしそうな状況を回避しようとすることを「はからい」と呼んでいます。

「はからい」で現場回避することや、状況を克服せねばと考えるほど、更にいっそう感情的に「とらわれ」ていく悪循環を招いていく…ということで。

生きていれば、不安があるのは当たり前。

心身を何とかしてコントロールしようとしていたことが、そもそも不自然なことである、という考え方に、なるほどなあ…と。

不安や恐れといった感情もしばし耐えていれば時間と共に下降していくということや、「よりよく生きたい」という欲望があるからこそ不安感も生まれる、人が持っている表裏一体の意識を理解することが大事なのですね。

 

森田療法では、『感情本位』ではなく『目的本位』でありなさい、と説いています。

左)『生きる力~森田正馬の15の提言~帚木蓬生著~」より抜粋

感情とは、このように極めて移ろいやすい、あてにできない、しかし、はまると蟻地獄のように抜け出せない、やっかいな現象なのです。

ところが、感情を表現する言葉が充実するにつれ、私たちは、知らず知らず感情に重きを置くようになりました。
感情こそが、人生で最も大切だと錯覚しはじめたのです。 
ある行為をしていて嫌な感情が出たら、もうその行為はやめる。嫌な相手は避け、疎ましく思う。逆に楽しい行為だけをありがたがり、追求する。腹が立てば、八つ当たりして、うさを晴らす。気分が悪い日には、外出もせず、家で寝ておく。気分が良くなるまで、顔をしかめてじっとしておく。
このように、感情や気分を基にした行為、行動を「気分本位」といいます。気分を基準にして行動する生き方です。これを正馬は徹頭徹尾嫌いました。気分本位では、自分の気分を標準にして考え、行動します。毎日の価値も、気分で判断します。 
気分で一日を評価していると、日常に埋もれている大切な事実を忘れてしまいます。(中略)
「気分本位」の反対が、お百姓さんの動きである「目的本位」です。
「目的本位」では、気分を行動の基準にするのではなく、気分はさておいて、とりあえずやらなければならない行動にとりかかります。
(中略)
「目的本位」の生き方を始めるにあたって、一番簡単なやり方は、同じ時間に同じ行動を繰り返し繰り返し行う方法です。花壇の水やりでも犬の散歩でも、ジョギングでも、満員電車のなかに立っているとき、できるだけつま先立ちしてふくらはぎを鍛えるのでもかまいません。手近に目的を設定するのです。
気分が乗らない、不安がある、恥ずかしい、迷いが残っている、恐い、そうした気分はそのままに、心配する気力と体力をとりあえず行動のほうに向けてみる。そのうち、嫌な気分をもちながら物事に取り組む技術が身につきます。

 

このように、感情に囚われるな…行動を起こせ!というのが『森田療法』の基本にあります。

なので、『森田療法』での不安症の解決策は結構な荒治療かもしれません。

不安や恐怖を感じている状態でありながらも、その感情に没入せずに肉体的違和感にも耐えながら立ち向かい、とにかくその時にできることをやりなさい、ということです。

「はからい」をして不安な状況から逃げるのではなく、敢えて逆に『恐怖突入』していきましょう!と、お尻を叩かれるような治療法ですよね。

元来、生きるということは常に不安を伴うことであり、自然や天気が安定しないように、人も『不安常住』にあることを理解することが大事なのだと。

文明が発達したことで人の暮らしは自然から遠のき、現代(日本)は安心・安全な状態が生活基準になっているわけですし、不安は避けたいという感情が染みこんでしまっていますからね。

多分、病院などでの本格的な治療としては、その人の心身の状態によって『恐怖突入』も徐々にステップを踏んでいくのだと思いますし、要は不安な状況に少しずつ慣れるべく行動に移しましょう、ということですね。

 

私が始めた仕事というのが、自然に恵まれた施設での屋外作業や飲食業務も兼用でこなしていくことでして、慣れない環境に肉体と経験的にもキャパオーバーを起こしてしまったのですが。

人は不安を伴う自然環境の中に在るのだという『森田療法』の考え方は、今の私にはしっくりときましたし、これからは自然(不安)と共に柔軟に生きていく術を身につけていきたいよなあ…と考えさせられましたね。

仕事はまだ慣れませんが、少しずつ体力が追いついてきたことで体調も落ち着いてきた感じです。

あと私にとって効果的だったのは、気持ちが囚われるとか彷徨っているなあ…と感じると禅タロットを引いていたのですが、これが毎度不思議なことに的を得た回答が出るので、気持ちを切り替えるように背中を押してもらえている感じだったのですよね。

自分にとっては堪える日々ですが、自身を見つめるよい機会はもらえたよなあ…とは思っています。

 

森田正馬氏にも興味を持ったので、ホロスコープを見てみました。

本人が不安神経症を克服していったことでの治療研究ですし、固定サインの土星天王星オポジションで緊張感もありますが、天秤座木星がらみなので状況対応力もありそうです。

山羊座太陽(月?)と牡羊座海王星のスクエアは、まだあまり研究がなされていなかった心理学や精神世界のことで、社会で成果を出していく感じもあるでしょうか。

山羊座天体多めで現場力や目的主義は高いですし、牡牛座冥王星も効いているので、転換力や再生構築力もすごくありそうで、徹底した繰り返しの定着性を手に入れていく感じかもなあ…という印象を受けたチャートでした。

 

(出生時間不明で正午でのチャートです)